「AT4050」というコンデンサーマイクは、原音に近いフラットな状態で録音することでき、ボーカルやアコースティックギターなどに適しているためプロアマ問わず愛されています。
かなり万能なマイクなのですが、AT4050のワンランク上に当たる「AT4060a」というマイクも存在します。
個人的にこの2つのマイクの違いが気になったため、この記事では
「AT4050とAT4060Aの違いが知りたい」「自分に合ったマイクはどっちなのか」と考えている方に向けて、様々な観点からざっくりと比較してしていきます。
サウンドハウス→audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT4050
audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT4060A
真空管の有無
AT4050とAT4060Aの一番の違いは、真空管が内蔵されているかどうかになります。
AT4060aには手作業による選別と、テストを重ねて選び抜かれた真空管が内蔵されており、サウンドのクオリティだけでなく、高い耐久力も兼ね備えています。
対してAT4050は真空管がない代わりに、比較的コンパクトなサイズになっており、縦に約2cm短くなっています。
周波数特性
2つのマイクの単一指向性による周波数特性は以下の通りになります。
AT4050
AT4060a
どちらもフラットに近い特性を持っていますが、AT4060aの方が比較的、高域の波が緩やかになっています。
また、AT4050のレンジが20~18,000Hzに対し、AT4060aは20 ~ 20,000Hzと少し広いです。
そのため、高域を繊細に、かつなるべくフラットに録音できるマイクが欲しい場合はAT4060aが良いでしょう。
指向性
AT4050がAT4060aよりも優っている点が存在します。それが指向性です。
AT4060aは前面から来た音を拾う単一指向性しか持っていませんが、AT4050には単一指向性、双指向性、全指向性の3つがあります。
本体の前面に指向性の切り替えスイッチがあり、更に背面にはAT4060aには無いローカットと、パッドの切り替えスイッチもあります。
サウンド
それぞれのサウンドを聴き比べしたところ、かなり違いが見られました。
AT4050は1音1音の粒がはっきりと聞こえ、ギターのアルペジオなどを録音した際にはアタックが目立ち、存在感を放つような雰囲気でした。
AT4060aは角が取れたようなまとまりのあるサウンドで、MIXした際に楽曲へ自然に混ざっていきそうな印象を抱きました。
どちらも楽曲のイメージごとに使い分けても良いほど、キャラクターが異なっています。
まとめ
AT4050とAT4060aを比較すると真空管の有無によってサウンドや見た目にも違いが見られ、それぞれに使うメリットが存在しました。
どちらもフラットな特性でありながらサウンドの特徴が大きく異なるため、普段から複数の楽器を録音している方は、2つとも持っておいても問題ないでしょう。
様々な指向性が欲しい方にはAT4050、ナチュラルな真空管サウンドが欲しい方にはAT4060aがオススメです。
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